12(※1) 国連食糧農業機関(FAO)2020年版「世界の食料安全保障と栄養の現状」報告書より(※2) 2021年11月発表(農林水産省)の推定値より(※3)「エシカル」とは、英語で「倫理的な」「道徳上」という意味です。現在は「倫理的=環境保全や社会貢献」などの意味で使用されることも あります。コープの考えるエシカル消費対応商品についてはP10をご参照ください。 2021年11月、COP(第26回国連気候変動枠組み条約国会議)が開催され、「グラスゴー気候合意」を採択して閉幕しました。2015年に採択された「パリ協定」では、“平均気温上昇を2度未満に保つとともに、1.5度に抑えるよう努力する”とされていましたが、今回の合意文書は「気温上昇を1.5度に抑える努力を追求する」と一歩踏み込んだものになっています。COP26のシャルマ議長はすべての採択後の挨拶で「各国が違いを乗り越えて共通の課題に立ち向かうために団結できることを共に世界に示した2週間だった。平均気温の上昇を1.5度に抑えられるようにするための努力を追求することは私たち全員の責任だ」と述べ、目標達成のために行動に移そうと呼びかけました。 気候変動により各地で頻発する自然災害や、農業(食糧生産)への深刻な影響は、コロナ禍で広がる日常生活への打撃や格差・不平等の拡大に拍車をかけ、未来への不安を増大させています。 食品ロスに目を向ければ、全世界で飢えに苦しむ人の数は2019年に約6億9,000万人にのぼり、5年間で6,000万人近く増加したと推定(※1)される一方で、日本国内では、同年度に年間570万トン(※2)もの食品が廃棄されました。また、海洋に流出した使用済みプラスチックは、海洋生物に直接の被害を与えるとともに、マイクロプラスチックの健康影響も懸念されています。 こうした人間の活動によって生じたさまざま環境問題と社会問題は、不可分の課題であり、これらを一体的に捉え、持続可能な地球環境と社会の実現を目指すとりくみが今、強く求められています。「くらしのあり方の見直し」「事業の変革」「エシカル(※3)な消費行動のひろがり」を通じて2030年ビジョンで「めざす姿」を確実に実現するために、コープあいちは従来の環境政策を「コープあいち環境政策2030」として改定します。 愛知の山と緑、水や海の豊かな自然環境は、さまざまな恵みをもたらすと同時にやすらぎや癒しを与えてくれます。このかけがえのない財産を未来の子どもたちに引き継ぎ、安心してくらし続けられる、豊かな地域社会をコープあいちは協同の力で実現します。はじめに
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