ウィズコープ8月号 2024年 vol.314
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2年半以上続いています平和\名古屋市でくらしています/トカチョヴァ・マリーナさんウクライナのクリミア南部から2023年5月に日本に避難した誰もが平和なくらしを願っているはずなのに誰もが平和なくらしを願っているはずなのに世界には争いによる悲しみや苦しみを抱える人がいます。世界には争いによる悲しみや苦しみを抱える人がいます。私たちができることは何かあるのでしょうか?私たちができることは何かあるのでしょうか?ウクライナから日本へ避難したマリーナさんとウクライナから日本へ避難したマリーナさんと「あいち・なごやウクライナ避難者支援ネットワーク」の「あいち・なごやウクライナ避難者支援ネットワーク」の加藤さん、堀田さんに話を聞きました。加藤さん、堀田さんに話を聞きました。2※2024年6月時点相談すればほとんどのことは解決できますが、避難して1年もたつので、彼女に頼らないように努力して、今は一人でくらしています。一番の問題は日本語が話せないこと。日本のみなさんに感謝を伝えるために早く言葉を覚えたいですし、働くためにも重要です。今までに英語やドイツ語などを学びましたが、日本語はとても難しいです。祖国では経理職に長年携わり、責任ある仕事を任せられていたのですが、言葉の壁があるので、そのスキルを生かせる仕事に就けないのが残念です。あいち・なごやウクライナ避難者支援ネットワーク愛知県を中心に、東海地域のウクライナ避難者を支援するために発足した市民活動団体。県内の自治体や民間団体との垣根を超えた連携・協働を通じて、ウクライナ避難者の生活を支援。(2022年5月設立)※コープあいちは、同ネットワークと連携する、名古屋市の支援登録制度を通じて、生活物資の輸送や食品の支援を行っています。▲日本でウクライナの音楽を披露するコンサートに参加▼手芸好きなマリーナさんが作った人形2014年3月のロシアによるウクライナ南部クリミア半島の一方的な併合から、現地の人々は長く苦しんでいます。祖国の地に安心して立てる日が来るのを願って 日本での日々はとても穏やかで、戦争の怖い記憶から解放されることもありますが、祖国に残る人が心配でなりません。祖父母がよく「戦争を起こしてはならない」と口にしていたことの重さが、今は痛いほど分かります。ロシアの侵攻が終わり、祖国に安心して戻れる日が一日でも早く訪れることを願っています。愛知県内のウクライナ避難民在留者数は120人以上 戦闘の中、幼い孫を連れてやっとの思いで避難 日本に住む長女を頼って、次女夫婦と1歳になる孫の4人で避難しました。時には近くにロケット弾が飛んでくるような戦闘が続く地域から、幼い孫を一刻も早く避難させたかったのです。しかし、侵攻が始まったばかりに生まれた孫には病気があってすぐには出国ができませんでした。しかもクリミア半島はロシア占領下だったので、孫の正式な出生証明書も入手できず、ビザも取得できませんでした。それでもなんとかトルコへ出国することができ、ホテルのベッドで8年振りに安心して眠れました。そこで書類の手続きを始めましたが、滞在期間の制限のため2カ月後にはジョージアに移動。その後やっとビザを取得できました。出国してから来日までに約4カ月かかりました。日本の自然にこころを癒やされる日々 日本は自然豊かな国です。寒い冬に咲く花を見たときには、なんてすてきな場所なのかと気に入りました。ウクライナには冬に咲く花はまずありません。今住んでいる市営住宅には小さな庭があり、ウクライナを思い出せる野菜やヒマワリを育てています。その庭を見ていると気持ちが落ち着きます。知多半島の内海を訪れたときには、クリミア半島の気候や風土に似ていると感じ、懐かしい思いがしました。支えられながらも、自立した生活をめざして ただ、夏は暑く冬は寒いのには困りました。ウクライナは集中暖房なので家中が暖かいのです。支援者の方に暖房器具をいただけて、とても助かりました。日々の生活のことは長女にロシアの軍事侵攻は2022年2月から 日本のみなさんに感謝しながら日本のみなさんに感謝しながら1日も早い侵攻の終結を願っています1日も早い侵攻の終結を願っています

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