株式会社コープクリーン・埼玉県蕨市
生協の商品の多くは、私たちのくらしと健康を守るために開発されてきたものです。その中でも、コープ洗剤のスタートは1960年代と早く、当時社会問題となっていた水質汚染対策でした。「生協の洗剤で環境を守ろう」と、生分解性のよい高級アルコール系界面活性剤を使用した「セフター」が開発されます。その後、より環境に配慮した、洗浄成分がせっけん100%の洗剤の開発もすすめられ、粉末の洗剤「おおぞら」が誕生しました。
全自動洗濯機の普及に伴い、時代は液体洗剤へと移っていきます。「おおぞら」も2002年に「液体せっけん おおぞら」が発売されました。使い勝手のよさと使用量が少ない合成洗剤が多く出回る中、それでも「おおぞら」が人気の訳は、汗や皮脂汚れの洗浄に優れている上、やわらかな仕上がりとさわやかな香りだから。時短や節水・節電の背景を受け、すすぎ1回にも対応しています。「組合員の多様なニーズに応えながら、環境にも配慮すること」を何よりも大切に、商品を開発、品質にこだわりを持ち続けています。
コープの洗剤は植物原料(パーム油)を使用しており、パーム油はインドネシアやマレーシアなどの農園で生産されています。「コープの洗剤環境寄付キャンペーン」は、「おおぞら」など対象商品1品を利用すると、1品につき0.5円をWWFジャパンに寄付し、持続可能なパーム油の生産などを支援する活動につながります。ひとり1品の利用でも、多くの組合員が利用することで、小規模パーム農家を支援することができるのです。
※WWF…100カ国以上で活動している環境保全団体。人と自然が調和して生きられる未来をめざしてサステナブルな社会の実現を推しすすめている。
◂研究・開発と検査
研究部で開発し、生産協力工場で生産。工場内での検査と、コープクリーンでも定期検査を実施
◂パームヤシの実の断面
核(中心の白い部分)から取れる油(パーム油)を使用。オレンジ色の果肉部分は食用で使われる
◂コープの洗剤環境キャンペーン
寄付金で、保全すべき森を住民で守るトレーニングや、農家の生計が向上する仕組みづくりを支援
せっけんの原料は油です。今の世界情勢により世界中で油が高騰しており、洗剤用の植物油も同じように値上がりしています。「おおぞら」は洗浄成分(界面活性剤)がせっけん100%なので一番打撃を受けています。また、パーム油は食用に使用されることが多く、近年は需要が高まっていることも原因の一つです。
ここ数年は商品案内カタログなどで洗剤のよさをお知らせしてきました。汚れがひどいからとたくさん入れる方もいらっしゃいますが、所定量以上入れても洗浄力は高まらないので、必ず正しい量を使ってほしいです。このような、紙面に載せきれないお話も交流会なら直接できるので、みなさんとお話しする機会が増えればいいなと思っています。
コープの洗剤は1966年、独自で開発した洗剤から始まった歴史の長い商品です。生協というと「食品」というイメージがありますが、コープ商品の中でも、組合員が一番初めに商品作りに参加した商品で、これまでも組合員の声と一緒にすすめてきました。生協の組合員は、商品に対して熱い思いを持っていると感じています。その方々と一緒に作っていけるのはとても貴重なことです。これからもみなさんの声を聞きながら、よりよい商品を作っていきたいです。
コープの洗剤には、「液体せっけんおおぞら」をはじめ、いろいろな洗剤があります。しかも液体タイプから粉末タイプのものまで、多種多様。どの洗剤を使ったらよいのか迷ってしまいますよね。自分のスタイルに合う洗剤を、一覧表から見つけてくださいね。
わたしにぴったりの洗剤一覧は こちら
コープクリーンのWebサイトには、あなたにおすすめのCO・OPの洗剤診断チャートもあります。
コープクリーンのWebサイトは こちら
そんな方には、CO・OPの洗剤について教えてくれる動画もあります。
「コープ洗剤の歴史」「汚れが落ちるしくみ」、他にもセフターの特長や選び方など、動画で分かりやすく説明しています。
ぜひご覧ください!
学習動画は こちら
「CO・OP液体せっけんおおぞら」には、せっけんカスの発生を防ぐ「洗浄力キープ成分」を配合し、マグネシウムやカルシウムをブロックします。
家庭用品品質表示法に定められた表示方法で、界面活性剤の種類とその割合に応じて、決められています。区分されるポイントは、2つあります。
①界面活性剤が、せっけんか、せっけん以外のものか
②せっけんの配合量がどれくらいなのか
組合員、生産者メーカー、生協と、産地工場見学や学習会で多くの交流をしてきました。
もちろん、蛍光剤・着色料は無配合。ふんわりハーブとお花のやさしい香りで支持者続出!
せっけんのやわらかな洗い上がりと、合成洗剤の確かな汚れ落ち、それぞれのいいところを合わせたハイブリッドな複合せっけん。
今回、コープクリーンの岩橋さんと岸さんからお話をうかがうまで、編集担当は、「せっけんカス」とは洗剤の「溶け残り」だと思っていました。「液体洗剤は水に溶けやすいはずなのに、どうして洗剤が残るのだろう?」と疑問に思っていた編集担当。本誌の「Q&A」にも載せたように、「せっけんカス」とは、水の中に含まれるミネラル成分(マグネシウムやカルシウム)が、せっけんと結びついたものです。衣類に付着していた白い粉状のものは「せっけんカス」だった?!
ちなにみ、洗剤の「溶け残り」とは文字通り、粉洗剤で洗濯したとき、洗剤が溶け切らずに残ってしまったもの。洗剤の量が多かったり、洗濯の水が冷たくて洗剤が溶けないと出やすくなるそうです。
ひどい汚れは洗剤をたくさん入れれば落ちると思いがちですが、所定量以上入れても洗浄力は高まりません。「せっけんカス」も「溶け残り」も洗剤の量が多いと発生しやすいとのこと。洗剤は決められた量を使用することが大切なのですね。
「界面活性剤=悪者」と思っていませんか?
界面活性剤とは、洗剤の主成分で、どの衣料用洗剤にも配合されています。水と油のように、混じり合わないものの界面(境目)に働いて性質を変え、混じり合わせる働きがあるものを界面活性剤といいます。種類と配合率は商品パッケージに表示されています。
界面活性剤には汚れを引き離す効果があり、今回ご紹介した「液体せっけんおおぞら」は、この成分が「せっけん100%」になります。界面活性剤がなければ、洗濯物はきれいにならないのですね。
コープの洗剤は、資源問題に対する声に応え、洗剤成分の主原料を、枯渇資源である石油から再生可能な植物原料へと切り替え、その後供給量と価格が安定しているパーム油由来原料を採用しました。しかし、パーム油は近年生産量が急激に拡大し、貴重な熱帯雨林の破壊など、いくつかの深刻な問題を引き起こしています。
パーム油の生産が熱帯林を破壊する原因になっていると聞くと、「パーム油を使わなければいい」と考えるでしょう。しかし、大量に必要とされるこの油を他の植物油で補うと、その代替作物を栽培するため、現在よりも何倍もの広大な農地が必要となり、森林破壊の問題が別の地域で深刻化してしまう恐れがあるのです。パーム油の利用をやめるのではなく、その生産方法を改善することが何よりも重要なのです。
日本生活協同組合連合会(日生協)は、2018年からWWFジャパンを通じ、インドネシアやマレーシアのパーム農家を支援しています。情報や知識、体制の不足から、非持続的な生産を続ける農家に働きかけ、組合を作り、パーム油の生産を持続可能なものに変えていく活動をすすめているのです。
「液体せっけんおおぞら」をはじめ、「コープセフター」シリーズなど、対象商品を購入すると、1品につき0.5円をWWFジャパンに寄付し、この活動につながります。いつものお洗濯で、パーム農園を守りませんか?
※WWF...100カ国以上で活動している環境保全団体。人と自然が調和して生きられる未来をめざして、サステナブルな社会の実現を推しすすめている