フジパン株式会社・名古屋市瑞穂区
1970年ごろには、パンは時代の背景とともに、主食の一つとして食卓にあがるようになっていました。めいきん生協※の組合員は、イーストフード・乳化剤不使用のパンを求め、フジパンに生協仕様の食パンの開発を依頼しました。しかし添加物不使用のパンはふっくらさせることが難しく、時間の経過とともに切り口がパサつき、鮮度が落ちてしまいます。おいしく食べるにはできるだけ切り口を空気に触れないようにすることが大切です。検討を重ねた結果、食べるときにスライスするブロック形の商品になりました。当初は3斤でしたが、組合員の要望を受けたフジパンは専用の設備を導入し、現在の2斤になりました。
現在までのロングセラー商品に育ったのは、原点である「おいしい食パンを」の組合員の声で何度も改善を重ねてきたからです。2017年には品質向上にこだわり、原材料、生地量目を見直し、製法も「中種法(2回発酵)」に変更しました。ボリューム感のあるソフトな食感になり、しっとりとした口どけのよい製品に改良されました。2019年のリニューアルでは、きめが細かく、さらにふわふわ感もアップしました。
「CO・OP食パン」は生協ブランドなので、砂糖や油脂などの原料、配合割合は生協独自のものです。原料や配合は組合員の声でしか変更することはできません。これからも組合員の声をもとに改善し、おいしいパンを作り続けます。
※ 1969年めいきん生協設立、1974年みかわ市民生協設立。2010年両生協が合併して、コープあいちが誕生。
◂3斤食パン製造
1970~1980年代の工場の様子。
開発当時は3斤だった。
◂工場見学
組合員と話し合いながら作り上げていく方法は今も変わらない。
◂焼成
200〜210度の温度で約37分かけて焼く。この後パンをケースから取り出し、冷却する。
2015年に東海コープ事業連合※の小牧要冷セットセンターができるまでは、フジパンの豊明工場から直接各配送センターへ納品していました。鮮度を重視しているため、焼き上がった日付を刻印し、すぐに工場から運びました。コープみえやコープぎふの遠方は、雨や雪で道が中断されるなどして大変でした。今はその心配はありませんが、作りたてを届けたい気持ちを大切にしていることは何も変わっていません。
パンの製造機器の精度はよくなっていますが、パンの膨らみ方はその日の温度や湿度に関係してきます。熟練の者の手が必要なのは今も昔も変わりません。
※ コープあいちを含め東海三県の3つの生協と協同して事業や活動をすすめ、より価値の高い生協をつくり上げていく組織。
コロナ禍ではおうち時間が増え、ご家庭でパンを食べることが多くなったのか、需要は伸びましたが、生協では組合員のみなさんとの交流ができなくなってしまいました。交流会ではいろいろな会話ができるので楽しいです。「このパンじゃないとダメなのよ」他ではなかなか聞けない声です。時々「2斤は多い」という声も聞きますが、6枚切りなどの食パンは3斤で焼いたものを、それぞれの枚数にスライスして1斤分にしています。生協の食パンは、少しでもおいしいままお届けしたいため、あえて2斤にしています。この食パンは生協でしか求められない商品だと伝えたい。交流会や学習会で「パンを食べると幸せな気持ちになる」そんな声が聞けるのを楽しみにしています。
少し焦げ目がつくくらいがおすすめです。組合員との交流会で大人気の食べ方です。一度お試しあれ!
切り取ったパンの耳は、細く切って油で揚げ、グラニュー糖やきな粉にまぶせば、おやつに最適な揚げパンに♪
アルミホイルを詰めて焼くと、具が挟みやすくなります。
パンは、冷蔵温度帯での保存が一番デンプンの老化が促進され、パサつきます。消費期限内に食べきれない場合は、パンをスライスし、1枚ずつラップでくるんで密封して冷凍庫で保管してください。温めたオーブントースターで凍ったままトーストすれば焼き上がりのおいしさは変わりません。自然解凍はNGです。
パン切り包丁を使うのが一番よい方法ですが、無い場合は、比較的しっかりしている側面や底を上にすれば、一般の包丁でもきれいに切れます。包丁の刃を温めるとよく切れます。
組合員、生産者・メーカー、生協と、工場見学や調理実習で多くの交流をしてきました。
トーストにもサンドイッチにも、どんなシーンにも使える優れものです。でも、まずはそのままで!
ウィズコープの「いいモノ いいコト いいトコロ」のページをめくると、一番最初にトップの商品イメージ画像が目に飛び込んでくると思います。今回の食パンのおいしそうな画像、もう見ていただけましたか?
毎回インパクトがあって、商品のよさが表れる画像を掲載するよう心掛けています。編集部も力が入るところです。
今回、ご協力いただいたフジパン株式会社の担当者 岩井さんとの打ち合わせで、この画像について編集部のイメージを伝えました。こちらのイメージは、食パンが2つに割れる画像…。すると、「私が撮影してきます!」と名乗り出てくださいました。
パンの耳を持って2つに割ると白い部分(専門用語では“内相”というそうです)がおいしそうに裂けるのは、焼きたてフワフワのときにしかできないそうで、買ってきたパンでは難しいとのこと。
「CO・OP食パン」は、お届けする日の朝に焼き上がるよう、深夜に焼いています。なので毎日「CO・OP食パン」が焼き上がるのは深夜3時ごろ?!焼き上がって、袋に詰める前に撮影するため、岩井さんは深夜3時に工場へ行って撮影してくださいました。
そんな努力もあって、「CO・OP食パン」のおいしそうなトップの画像を掲載することができました。岩井さんの熱意に感謝です!(ちなみに、パンの耳は専門用語で“外相”と言うそうです)
何枚も撮り直しをしてくれました
パンを使ったレシピもたくさん掲載されています♪