ゴールドパック株式会社・長野県安曇野市
40年前、組合員の70%が子どものにんじん嫌いに悩んでいました。国産にんじんジュースを国内で最初に発売したゴールドパックに、「子どもにおいしくにんじんの栄養を取らせたい」という組合員の思いを伝え開発が始まりました。
にんじんは国産であること、砂糖・香料・着色料を使用しないことにこだわり、20数回もの試作を重ね、ついに、にんじんをゆでてから搾るとまろやかなジュースになることを発見。
1981年、にんじん汁に果汁を加え、素材の味わいを生かした「ミックスキャロット」が誕生しました。日本初の野菜果実ミックスジュースです。今では、世代を超えて愛される人気商品です。
農産物は天候の影響などでいつも同じ味とは限りません。そのため、社内の厳しい官能検査認定制度に合格した社員が、定期的に舌と目でサンプルをチェック。科学的な分析だけでは検出できないわずかな変化も見逃さず、おいしさを守り続けています。
当初にんじんの配合率は40%でしたが、組合員の声を受けて現在は60%にまで増えています。以前に比べ、にんじん自体が甘くクセも少なく、今では子どもの好きな野菜の上位に入っていること、にんじんはおいしい野菜ということを知ってもらいたいという組合員の願いから、配合率を変えました。ミックスキャロットはこれからも変わらないおいしさを届けながら、組合員とともに成長し続けます。
◂試供缶(1980年)
全国の組合員、延べ9万軒(3万軒を3回)へ試飲を実施。缶には、開発目的などが記されている。
◂官能検査
糖度・酸度・pHなどの理化学検査だけでなく、味や風味などは人の舌で厳しくチェック。
◂学習会の様子(2018年)
商品についての学習や、商品を使ったレシピを調理・試食する。
にんじんをそのまま搾ると、どうしても「えぐみ(にんじんの青臭さ)」が出てしまうため、開発には苦労しました。研究を重ね、弊社独自の製法で「えぐみ」を感じない搾汁方法を開発しました。また、子どもが好むバナナなどの果物をプラスしてミックスキャロットは完成しました。名前もみなさんから募集したんですよ。
子どもの苦手な野菜といわれるにんじんですが、ミックスキャロットは自信を持ってお届けできます。子どものころに飲んだ記憶は大人になってもずっと残ります。ミックスキャロットが「おいしかった」という楽しい記憶であってほしいと思っています。発売当時、組合員のお子さんだった方がお母さんになり「今は私の子どもが飲んでいます」と親子3代で飲まれていると聞くと大変うれしくなります。
コロナ禍では、家庭用に提供している飲料商品は需要が伸びた一方で、業務用や外食用はとても厳しい状況でした。特に航空会社に機内食として利用されている商品は、飛行機便の減少で影響を受けました。コロナ禍前は、にんじんの搾汁から容器への充填工程を見て学習する工場見学も実施。組合員のみなさんとも、交流会や学習会で実際に飲んで商品を知ってもらっていたことが、すべてできなくなり残念でした。
生協のよさは、組合員と一緒に商品開発ができること、みなさんの声を反映できることです。弊社もWebサイトで工場見学など、リモート学習会の準備をすすめています。みなさんにお会いできる日を楽しみにしています。
■ ミックスキャロットの甘さはどこへやら。一度お試しあれ!
■ コンデンスミルクをかけたり、マーマレードジャムやアイスクリームをのせると、おいしさアップ!
混ぜ過ぎに注意!
■ ご家庭の電子レンジにより、調理時間が異なる場合があります。
缶は耐熱性があり、熱い状態で詰められ、紙パックは一度冷却してから詰めます。高温の状態の長短で風味の違いが出ますが、栄養価はほぼ変わりません。紙パックは持ち運びに便利で、飲んだ後は、畳めばごみの減容化になります。缶は日持ちがするので、長期保存が可能です。
【CO・OP】ミックスキャロット160g
ミックスキャロットは砂糖や着色料、香料を使用していないので、お子さんにも安心して飲んでいただけます。赤ちゃんにも飲ませたいという組合員の声に応え、従来のミックスキャロットより少し野菜果汁の比重をおさえた「みっくすきゃろっと」が誕生しました。
【CO・OP】きらきらステップ みっくすきゃろっと(7カ月頃から)
組合員、生産者・メーカー、生協と、産地工場見学や学習会で多くの交流をしてきました。
1.3本は160g缶1缶当たりに換算した使用量です。今日も明日もゴクゴク!
研究に研究を重ね、全国の生協組合員の声を聞いて追及したミックスキャロット。おいしさはみなさん周知のとおりです。ところでみなさんは、どのタイプのミックスキャロットを飲んでいますか?缶?それともペットボトル?いやいや、私は紙パックです、という方もいらっしゃるでしょう。その紙パック、よーく見たことはありますか?実は、いくつかお楽しみが隠れているんです。
「たたんでくれてありがとう」。紙パックをたたむと、パックの上の部分から現れるこの言葉。ごみの減量化に協力してくれたお礼として、今や多くのパックに記載されています。もちろん、ミックスキャロットの紙パックにも印字されていますが、まだまだ隠れた(?)秘密があるんです♪ お子さんに楽しんでもらおうと、「じゃんけん」や「おみくじ」がついているんですよ!
紙パックのミックスキャロットを飲んで、ぜひ見つけてくださいね。
「ミックスキャロット」や「彩果菜園」を製造するゴールドパック。生協では野菜果実ジュースでおなじみですが、実はいろいろな食品会社の見えないところでお手伝いをされています。
ミックスキャロットの製造過程では、大量のにんじんの搾りかすが出ます。この残った搾りかすはどうなるのでしょう。もちろん無駄にはしません。ピューレ状に加工して、スムージーのとろみや、焼き肉のたれになるんですよ。“かす”と言っても食物繊維が多く含まれているので、食品として十分活用できるのです。農家のみなさんが一生懸命心を込めて育ててくれた野菜を余すことなく、最後まで使用します。また、ジュースのストローを再生可能プラスチック5%使用のストローに切り替えるなど、SDGsにも積極的に取り組まれています。
ちなみに、野菜や果物を特殊な機械で搾汁しているゴールドパックさん。みなさんがよく知るアイスキャンディーに使われている果物も搾っているそうですよ。夏はガリガリとアイスを食べたいですね。