株式会社トーノーデリカ・岐阜県中津川市
コープの産直若鶏を一手に担うトーノーデリカは、コープあいちと共に(1968年旧めいきん生協立ち上げ時より)長く商品開発をすすめてきました。契約農家のほか直営農場を持ち、生産・加工から提供まで一貫した体制で品質を高めています。
産直若鶏の飼料には、病気予防のための抗生物質や抗菌剤を一切添加せず※、乳酸菌や納豆菌などの有用微生物群を一緒に与えることで腸内を整えています。1坪当たりの飼育数を減らした広いスペースの飼育環境で、のびのびと育った鶏は身が引き締まり、脂肪が少ないのが特長です。
鶏肉が一番おいしいのは、と
8~48時間以内といわれます。この「一番おいしい時間」に加工し急速冷凍して宅配しており、ご家庭で解凍したときが一番おいしくなるようにうま味を肉に閉じ込めています。お店には冷蔵で最短処理した翌日に届き、鮮度は抜群です。
※ 法定伝染病予防の目的でワクチンを投与しています。
産直若鶏が本来持っているよさを知ってもらうために、まずは「手に取って食べてもらうこと」が大切と考えています。その後にバックグラウンドを知ってもらえば、価格ではなくこだわりの産直若鶏であることを理解してもらえると考えています。
これまで交流会や産地工場見学などで多くの組合員と交流し、思いを伝え、声を聞いてきました。宅配用のモモ肉の皮や脂肪部分を、一般向けより少なくなるよう手作業で取り除いているのも組合員の声からです。薬を与えない飼育は手間がかかりますが、組合員の求める商品を作り続けられるように努めています。
◂飼育環境
一般の若鶏が1坪当たり60羽の飼育スペースに対し産直若鶏は45羽(夏季は30羽)。太陽の光が注ぐ鶏舎の中、平飼いで育てる。
「はぐくみ自慢の鶏で作ったチキンカツ」など、産直若鶏を使用した加工品も開発し、商品化している。
◂「あと一品!!ごろっと唐揚げ」
冷凍
昔はグループ(班)で利用される方が大半で、組合員どうしで顔を合わせる機会が多く、交流会や学習会をしても口コミで、よさや思いが伝わりました。最近はそれも難しいと感じています。そこへ新型コロナウイルス感染症が押し寄せ、交流会やお店で試食が出せなくなり、ますます伝わらなくなってしまいました。
この時期、養鶏者にとって怖いのは鳥インフルエンザです。新型コロナウイルスもそうですが、目に見えないものと戦わなければいけない、何が正しいのか分からない…。やれることを一生懸命やらなければいけないと思っています。
20数年前に生協の担当となり、まだ何も分からないころ、社長に「組合員から『生協イズム』を勉強してきなさい」と言われました。長く生協を利用している組合員のみなさんから、生協が大切にしてきたことを教えてもらいました。お叱りもいっぱい受けましたが、それが勉強になり、のちのち生きています。
子育て中のママたちには「自分たちが食べている商品は誰がどんな風に作っているのか」「子どもに何を食べさせているのか」をいったん立ち止まって考えてみてほしい、おいしくて安全で安心なものを食べてほしいですね。かつて組合員から教えられたことや思いを絶やしてはいけない、今度は自分が伝えなければいけないと思っています。
■ 油で揚げる際、タネが軟らかい場合は、スプーンなどですくって入れるときれいにできます。
■ そのままでもおいしいですが、お好みのソースにディップしてもGood!
■ ゆで汁の中で冷ますのが、しっとりやわらかく仕上げるコツ。
■ 切りはサラダに、小さな角切りはチャーハンやチキンライスにおすすめ。
■ お好みでピンクペッパーをトッピングして
■ ピーマンとなすは火を通すとやわらかくなるので、少し大きめに切りましょう。
■ クレイジーソルトと重曹の代わりに、「塩こうじ」でもやわらかくなります。
その場合は、漬け込む時間を1日にしてください。
■ そのまま食べてもおいしいですが、ケチャップやマスタードなどをつけてもおいしいです。
■ カレー粉を混ぜて焼けば、カレー味のピカタができます。
■ 切り込みを入れることで火が通りやすくなります。
■ ポリ袋を使うと簡単に、早くまぶせます。
▲「煮っころ丼々」
産直若鶏の一番の食べどきは解凍時です。温度変化を、できるだけ小さくすることがおいしく解凍するポイント。
●急ぐときだけ流水解凍
●解凍したてのドリップ(肉汁)はうま味のもと、袋ごともみ込んで。
❶ムネ肉は葉っぱのように、筋肉の線維が伸びています。これを短く断ち切ると柔らかな食感になります。包丁を線維に対して垂直に入れて、そぎ切りにします。
❷水に溶いた食品用の重曹(ベーキングパウダー)と一緒にポリ袋に入れ、よくもみ込んで1時間寝かします。
【割合】水…小さじ4 : 重曹…小さじ1/2
組合員、生産者・メーカー、生協と、工場見学や調理実習で多くの交流をしてきました。
塩をかけて焼くだけという食べ方のとき、おいしさの違いが出ます。産直若鶏、自信ありです!
このコーナー「いいコト いいモノ いいトコロ」が始まって半年、多くの生産者・メーカーの生協担当の方を取材しました。どの生産者・メーカーもコープあいちとは長~いお付き合いです。そしてその担当の方みなさんが口にされるのが「組合員のみなさんに教えていただきました」です。
「生協とは」「生協イズム」なんて言葉をよく耳にしますが、担当の方も生協の担当になって、他の量販店とは違う、組合員の思いを目の当たりにするそうです。もちろん、今回のトーノーデリカの石井さんもその一人。
生協のお店、コープ大高インター店が開店して12年前、お店の周りはコープあいちを知らない方も多く、「産直若鶏」もあまり知られていませんでした。石井さんは「まずこの鶏肉の味を知ってもらいたい。そのために実際に食べてもらうしかない!」「食べてもらえば、絶対味の違いが分かるはず!」そう信じて、毎日のように店頭に立ち、お店に来る組合員や、まだ組合員になっていないお客さんに産直若鶏の試食を出し続けたそうです。
量販店が多い愛知県。鶏肉は手ごろに手に入るお肉として、いろいろなお店で安価に販売されることも多く、「産直若鶏」はまだまだ知ってもらう余地のある鶏肉です。交流会や学習会では、生協担当大ベテランの石井さんは、いつも引っ張りだこです。各センターで開催される離乳食交流会でも、石井さんは熱心にママたちに産直若鶏のレシピをお伝えしていましたが、このコロナ禍で交流会も開催できなくなってしまいました。
一人でも多くの組合員に「産直若鶏」を知ってもらいたい。今も熱い思いで「産直若鶏」を語る石井さんは、かつて組合員に教えられた「生協イズム」を、今度は自分が新たに加入さえ組合員に伝えなければならないと、交流会が再開されることを待たれています。
(株)トーノーデリカには直売店もあります。