ワルツ株式会社・愛知県豊橋市
1980年代初頭、本格的なコーヒーを飲むのは喫茶店というのが主流の中、「家庭で飲むおいしいコーヒーが欲しい」という生協の思いと、「いいものだけを顔の見えるみなさんにお届けしたい」というワルツの思いがひとつになり、飲み切りサイズの100gコーヒーが誕生しました。その後も組合員のニーズに応える中、1993年、「忙しい日々の中でも、コーヒーを楽しみたい。お茶代わりに飲めるようなコーヒーが欲しい」という声から、港センターの組合員と新たなコーヒーの検討を開始。「何杯飲んでも飽きない味」「すっきり飲みたい」「あっさり味」といったコンセプトのもと、製造メーカー、原料原産国、焙煎度合い、配合、ひき方、味わい、ネーミング、価格など検討に検討を重ね、2年の月日をかけて、1995年「わたしのブレンド」がデビューしました。
2007年には、「スイーツなどと一緒にゆっくり味わう、深みのあるコクが特徴のコーヒーを」と、再び港センターの組合員と検討、「あなたのブレンド」が誕生しました。
「わたしのブレンド」デビューから11年後の2006年、協力工場に委託していた製造を、ワルツの自社工場に移管しました。そうすることで、宅配用の商品は注文を受けてから焙煎をする「受注製造」が可能になり、組合員のみなさんへ、煎りたて、ひきたての新鮮なコーヒーが届けられるようになりました。東海エリアなら、製造から5日以内に組合員の手元に届きます。今後も組合員のくらしに合った商品を、交流を通して作り上げ提供していきます。
◂開発当時の商品
1000人もの試飲を経て完成。通常は豆をブレンドしてから焙煎するが、豆の特長を生かすため、種類ごとに焙煎してからブレンド。
◂焙煎
その日の気温、湿度で焙煎の時間が変わる。職人技でそのタイミングを見極める。
◂組合員と開発(2007年)
写真は「あなたのブレンド」を検討したとき。「わたしのブレンド」と同じメンバーで開発した。
今回のコロナ禍で、外出自粛のため自宅で過ごす時間が長くなった影響もあり、お店のコーヒーやインスタントコーヒーから、自宅でレギュラーコーヒーをいれて楽しむようになった方も多くなっています。
すっきりとした「わたしのブレンド」はブラックで、コクと深みのある「あなたのブレンド」は、時にはカフェオレで楽しんでみてください。ワルツは煎りたての新鮮なコーヒーにこだわっていますので、コーヒー本来の香り、味わいを楽しめる商品です。味わいは、いれ方や保存方法によっても大きく変わるため、正しいいれ方、保存方法を発信していくことも必要だと感じています。
これまで工場見学も含めて年間約200回も組合員のみなさんと交流してきました。「いつも買っています」「わが家の定番です」という声はモチベーションにつながります。「こういうものが欲しい」とズバッと言ってくれる方も多く、直に声が聞けるのはうれしい限りです。みなさんの発信力はすごくて、交流会では私たちが準備している間に他の方へ説明してくれていたこともありました。家で過ごす時間が豊かな時間になるような商品作りをしていることを伝えたいです。交流会や学習会でみなさんとコーヒーや紅茶のことを語り合いたいです。
■ コーヒーカップやドリッパー、サーバーはあらかじめ温めておく。
■ ペーパーフィルターはチャックどめの部分(横と下)を互い違いに折り、ドリッパーにぴったりつくようにはめ込む。
■ お湯の適温は約85~90度。おいしさの成分は最初に凝縮されており、温度が高すぎるとエグ味、雑味を抽出してしまいます。
■ コーヒーの真ん中に注ぎます。ふちにかけるとお湯がコーヒーの外側を通ってしまいます。
■ シロップはお好みで調整してください。
■ よくかき混ぜてお召し上がりください。
コーヒーの劣化の主な原因は空気に触れて酸化することです。古いコーヒーや抽出して長時間おいたコーヒーに酸っぱさを感じるのはそのためです。保存するときは、袋をそのまま使用し、高温多湿を避け、空気に触れないよう密封するのが基本です。においを吸収する作用があるので、においの強いものの近くには置かないように気を付けましょう。
組合員、生産者・メーカー、生協と、産地・工場見学や学習会で多くの交流をしてきました。
マグカップでたっぷり飲める飽きのこない味で、毎日のコーヒーブレイクを楽しんで♪
「お茶代わりに飲めるコーヒーが欲しい」という組合員の声から、新たなレギュラーコーヒーを開発することとなって生まれた「CO・OPわたしのブレンド」。実は、当時ワルツ内では「コーヒーなのにすっきり味?」「あっさり味のコーヒーなど、コーヒーと言えるのか」と不安や反対の意見が出たそうです。コーヒーと言えば、深みがあるのが当たり前。それを「すっきり、あっさり」とは、今までのコーヒーとは異なる風味です。それでも、組合員の声に応えようと、コーヒー豆の種類や焙煎度合い、配合、ひき方を何度も何度も試し、マグカップでたっぷり飲める「わたしのブレンド」が誕生したのです。今では、ワルツ社員のみなさんも愛飲されているそうですよ。
組合員の「すっきりさせる」発想は、時代にマッチした商品を生み出し、レギュラーコーヒーで一番の人気商品となりました。
ワルツは、環境への取り組みも活発に行っています。コーヒー豆を焙煎する際に出る煙と匂いを消す「アフターバーナー」という装置で、大気汚染を防止しています。また、喫茶店へコーヒー豆の納品もしていて、コーヒーを抽出したかすを回収し再資源化もしています。回収したコーヒーかすを協力いただいている農場に運搬し、牛ふんやおが粉に混ぜて肥料として活用しています。
家庭で飲まれたコーヒーのかすの再利用方法もお伝えしています。コーヒー豆には脱臭効果があるので、乾燥させたかすを布の袋などに入れて、シューズボックスに入れるといいそうですよ。
本誌でもお伝えした「おいしいコーヒーのいれ方」、実践されましたか?
ドリッパーを使ってコーヒーをいれるとき、お湯を注ぐとコーヒーがふっくらと膨らみますよね。これは、「鮮度」が起こす業!新鮮なコーヒーほど、コーヒーの中に炭酸ガス(香気成分)がたくさん含まれていて、お湯を注いだときにコーヒーが膨らみます。新鮮なコーヒーの証なのです。