トーアス株式会社・愛知県豊川市
「CO・OPドライパック」シリーズの最初の商品である「CO・OP大豆ドライパック」缶は、「おいしい大豆の缶詰が欲しい!」と組合員の声をきっかけに誕生し、1988年に販売されました。
今でこそ多くの組合員のみなさんに利用されていますが、発売された当初はなじみがなく、思うように利用が広がりませんでした。しかし、全国の共同購入※1の場や試食交流会の場で商品のよさが伝わり、主に口コミで広がりました。現在では大豆以外にも、ひじき、スイートコーン、ミックスビーンズなども製造しています。
トーアス株式会社は、農産物のドライパック缶詰のパイオニアともいえる企業です。
※1:3世帯以上の組合員で「班」をつくり「班」単位で コープ商品を購入するしくみ。
原料は国産にこだわり、北海道産「とよまさり」を100%使用しています。「とよまさり」は、北海道を代表する大豆の銘柄で、煮物、惣菜の用途に使われることが多いです。
缶を開けたらすぐに食べられる手軽さは「大豆は体にいいから家族に食べてもらいたいけど、下処理が大変」という方に特におすすめです。ストックしておけば、ハンバーグなどいつもの料理にプラスワンしたり、一品増やしたいときなどに簡単にさっと使え、時短料理の強い味方です。
しっかり密閉された缶は3年間保存が可能。万一の災害が発生したときのために、特別な災害時食でなくても、いつもの食品を定期的に消費するローリングストック※2としても頼りになる食品です。
※2:賞味期限が長めの食材・加工品を少し多めに購入し、使った分を買い足しながら備蓄すること。
◂ボイル
時間と温度をコントロールし、一定の状態にボイル。
◂加熱・殺菌
大豆の水分が蒸気となって缶の中を対流し、大豆をふっくらと蒸し上げる。
◂災害時食講座
そのまま食べられるので災害時食にもぴったり。講座でもすすめている。
コロナ禍では、ステイホームの中でドライパックの注文が増えました。毎週変化する出荷の予測を基に、在庫を切らすことがないよう生産スケジュールを調整して対応しました。変化が激しい環境下では、ミスが生じやすいので、より一層の注意を払うことを心掛けました。
コロナ禍に見舞われる前、商品学習会では商品説明だけでなく、調理実習を組み込んでいました。それは、「大豆ドライパックのおいしさや使い勝手は、試食や紹介したレシピを実際に試していただくことでお伝えできる」と考えているからです。
学習会でのレシピを考案する際は「どうしたら試してもらえるだろう?おいしく食べてもらえるだろう?」を念頭に置いています。調理実習を重要視している理由はここにあり、そこでお聞きした生の声や反応をレシピに反映させたり、レシピ考案のヒントとしています。
また、「親子、孫の3代で利用している」と声を掛けてくださる方もいて、それを聞くと「手軽に安価でおいしい総菜が買える中でも、この組合員さんの食卓にはドライパックを使った手作りの煮物が並んでいるのだな。煮物レシピが代々受け継がれているのだな」と感じます。併せて「煮物以外にも受け継いでいただける魅力あるレシピを考案しなければ」と切に感じる次第です。
■ さばを先にほぐしてから、大豆&ひじきとあえるときれいに仕上がります。
※さば缶に小骨が入っていることがあるため、気になる場合は事前に取り除いてください。
■ 大豆にまぶした衣がカリカリになるまで、フライパンをフリフリして炒めてください。
下処理した素材を容器に詰めて中の空気を抜き、素材に含まれる水分で蒸し上げています。
水煮缶と違い、水に浸かっていないため、うま味や風味が水に溶けだすことがなく、素材本来の風味・食感を楽しむことができます。
組合員、生産者・メーカー、生協と、工場見学や調理実習で多くの交流をしてきました。ほのかな甘みがあってホクホクの食感!多くの人に愛され続けているのもうなずけます。