美濃酪農農業協同組合連合会・岐阜県美濃市
安全・安心な牛乳として生まれた「せいきょう牛乳」ですが、1970年代後半になると飼料代の高騰による乳価の値上がりで、「せいきょう牛乳」の利用が停滞しました。このままではせっかくの原乳が無駄になってしまいます。「せいきょう牛乳」の加工品としてはすでにヨーグルトがありましたが、組合員やメーカー、職員が協力し、もっとたくさん「食べる牛乳」を作ろうと知恵を出し合い、プリンの開発に取り掛かりました。検討会で何度も試作と試食を重ね、おいしさだけでなく利用しやすい価格やパッケージのデザインも協議。1980年、ミルクプリンが誕生しました。この活動は組合員がただ「買う」だけでなく、生産者の状況を知り普及していく「牛乳を食べる運動」へ広がっていきました。
開発当時、市場ではカスタードプリンが主流でした。そんな中、牛乳の味わいを生かした生協独自のプリンとしてミルクプリンは生まれました。おいしさを支えているのは、生乳を74%も使用していることです。また、牛乳の豊かな風味を生かすためカラメルは使用していません。程よい甘さで牛乳が苦手な人でもおいしく食べられると評判です。
東海地区の大学生協でも販売しているため、学生時代に食べた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
世代を超えて今も人気のミルクプリン。親子のおいしい記憶としても一役買っています。
◂パウブレンダー
混合溶解ポンプ生乳とそのほかの原材料を瞬時に混ぜ合わせ、次の工程、調合タンクへ送る
◂交流会(中川センター)
ミルクプリンの他、せいきょう牛乳やパンと一緒に、試食を行いながら楽しく交流
乳牛の餌は、ほぼ 輸入に頼っています。昨今のウクライナ情勢や円安の影響で、飼料は以前の1.5~2倍に値上がりをしています。餌以外にも、光熱費も高騰しており、酪農家のみなさんは大変厳しい状況にいます。輸入に頼らなくてもいいように餌の研究もしたのですが、条件が合いませんでした。酪農家は安全・安心でおいしい牛乳を作るため、努力をしています。相次ぐ乳価の改定で心苦しいですが、私たちは酪農専門の農協なので、酪農家を守りたいと考えています。酪農家を守ることは、せいきょう牛乳を守ることでもあります。
コロナ禍で牛乳が余りそうになったとき、組合員のみなさんから温かい言葉をいただき、ミルクプリンをはじめ 牛乳やヨーグルトをたくさん利用していただきました。みなさんの「1つでも多く買おう」という取り組みは、生協ならではです。酪農を続けていくことは本当に大変なことですが、酪農家は生協の商品になることに誇りを持っています。1個でも多く、1本でも多く利用し、牛乳をたくさん消費していただくこと、それが酪農家の喜びです。交流会も始まりました。一人でも多くの方に直接商品のよさをお伝えしたいです。
前日の夜に仕込めば、しっとり食感のタルト生地風に♪直前にのせればサクサク!どちらもおいしいです!お好みで♪
沸騰するまでは触らず、目を離さず、じっと待つこと! 注:お湯を入れると跳ねるので注意
組合員、生産者・メーカー、生協と、産地工場見学や学習会で多くの交流をしてきました。
配達日はドアを開けるのが楽しみ!
善玉菌である「プロバイオテクス」と善玉菌の餌である「プレバイオテクス」が一緒になった、“シンバイオテクスヨーグルト”です。
美濃酪連とのお付き合いは長く、コープあいちの前身、めいきん生協※の設立、1969年までさかのぼります。1967年、名古屋大学と岐阜大学の大学生協が始めた、美濃酪連(当時は、東酪農農業協同組合連合会)牛乳の地域配達から、牛乳の共同購入が生まれ、それが、めいきん生協の設立につながりました。
その後は、本誌にある通り、1970年後半の飼料代高騰による乳価の値上がりで、「せいきょう牛乳」の利用が停滞。組合員とメーカー、職員が協力して「食べる牛乳を」とヨーグルトの開発が始まり、せいきょうミルクプリンの開発へとつながっていきました。
せいきょうミルクプリンの発売から40年以上、今も大人気の商品です。「小さいころ、母が生協で注文していて食べていました。私も母になり、子どもと一緒に食べています」「出会いは大学生協。卒業後、生協に加入したのは、これを食べたいがためと言っても過言ではないほどのファンです♪」と、なが~く、なが~く愛されている商品です。
※1969年めいきん生協設立、1974年みかわ市民生協設立。2010年両生協が合併して、コープあいちが誕生
ミルクプリンのふたに描かれているイラストをご存知ですか?
「お母さんと子どもと小鳥」のイラストです。これを「ああ、懐かしい」とおっしゃる方は、長年のコープ愛用者!そう、このイラスト、以前(といっても、かなり前です)コープ商品についていた、コープマークなんです。
1973年、日本生協連が生協のマークを公募して決定したマークのうちの一つで、現在は、赤い楕円の中に白色の文字で「CO・OP」と書かれているものの前身です。
そのマークが、せいきょうミルクプリンのふたには今でも描かれています。40年の間に、何度か商品の見直しをすることになりましたが、味については「変えたくない」という組合員の声から、開発当時のままです。パッケージに描かれているこ昔のコープマークにもリニューアルの話が出ましたが、「昔の味のまま変わることなく愛され続けている商品だから」と、せいきょうミルクプリンには、そのまま昔のマークを残すことになったそうです。
もしかしたら、このマークが残っているコープ商品は、せいきょうミルクプリンのみかもしれません。