株式会社瑞逢社・愛知県愛西市
お付き合いの始まりは1985年、めいきん生協の組合員がぎょうざの皮や春巻きの皮を求めたことからです。瑞逢社ではぎょうざの皮の材料を生かしてうどんも製造していました。「みそ煮込うどん」は、麺の形状も組合員と検討し生協のみそを使い、めいきん生協25周年記念商品として発売されました。
うどんは地域で麺の形状も硬さもさまざまです。みそ煮込うどんも東海3生協それぞれでした。日本生協連のコープ商品になることから「みそ煮込うどんの麺はこれ」という商品に統一することに。麺の原材料では、味を決める小麦粉にこだわり、風味がよく品質が安定している北海道産を使用。形状は平たい麺に決まりました。形状が違えば当然食味、食感も違います。材料の配合についても見直しが必要になりました。コープあいちでは港センターの組合員に試食を実施。その意見をもとに麺の太さや厚みを改良し、2019年9月にコープ商品としてリニューアルデビューしました。
瑞逢社では衛生管理に特に力を入れています。工場内は湿度を抑え、異物が入らないよう空気の流れをコントロールしています。製造後に行う1時間半かけての機械や工場内の清掃など、安心を届ける努力を怠りません。
また環境にも配慮し、ぎょうざの皮を切り抜いた残りなどの小麦残渣は産業廃棄物として処理するのではなく、生協と取引のある畜産家へ飼料として有効活用されています。ここでも生協との協同の力が発揮されています。
※ 1969年めいきん生協設立、1974年みかわ市民生協設立。2010年両生協が合併して、コープあいちが誕生。
※ 東海3生協:東海コープ事業連合の会員生協。コープぎふ・コープあいち・コープみえの3生協。
◂デビュー当時のパッケージ(1997年)
左上の青色のマークは、東海コープ事業連合のブランドマーク。
◂熟成
練り上げた生地を熟成させる。回転翼によって粗麺帯形成機に生地を落とし込む。
◂粗麺帯形成機
2枚の粗麺帯を重ねて1枚の麺帯にする。小麦粉に含まれるグルテンの網目が複雑になり、麺のコシをつくる。
メインで製造しているぎょうざや春巻きの皮は、多くは量販店へ納品しています。コロナ禍では、自宅で料理をされる方が増え、需要が約1.5倍に増えました。しかし、中華料理店などの外食産業は厳しい状態でした。
弊社は素材のメーカーなので、手作りしてもらって、商品のよさやおいしさ、料理の楽しさを知ってほしいと思っています。コロナ禍では交流会や学習会が行われず、工場見学も受け入れられないので、組合員のみなさんとも会えなくなってしまいました。生協は、どのようなものか分からない商品を、交流会や工場見学などで実際に食べてもらうことで、こだわりやおいしさを知ることができるというよさがあります。それができないのが本当に残念でした。
交流会や学習会、工場見学では、商品を前にして、組合員のみなさんはメーカーに直接質問し、答えを得ることができます。生協に入っているとそれは当たり前のことですが、こうして直接話ができる、商品の話が聞けるというのは量販店ではありえないことで、普通ではないことを知っていただきたいです。
生協の商品は、組合員の要望・願いをもとに検討します。私どもは、その声を受け止めて、どう作るのかが使命です。みなさんの声を聞きたいと思っています。普段口にするものがどのように作られているのか見てもらいたい、伝えたい。工場見学に来ていただけることを願っています。
お好みでキムチをトッピングして。
ぎょうざの皮が余ったら…残った皮でもう一品!中華スープのレシピも載ってます!!
■ キャベツの葉がかたい場合は、洗った葉を重ねて耐熱の器にのせラップをし、 電子レンジで約20秒〜1分様子を見て加熱してください。
■ お好みの具材を入れる場合は、出来上がる1〜2分前くらいに入れてください。
カレーパウダーを加えてカレー風味や、ケチャップを加えてトマト風味にしても、おいしくいただけます。いろいろな味のスープでお試しください。
■ 型で切り抜かずに、そのままの形や半分に切るだけでも大丈夫。 お好きな形でお楽しみください♪
■ ご家庭の調理器具によって加熱時間が異なるので、様子をみて時間を加減してください。 途中できれいな焼き色が付いたら、上からアルミホイルをかぶせてください。
組合員、生産者・メーカー、生協と、産地工場見学や学習会で多くの交流をしてきました。
名古屋メシの定番、みそ煮込うどん。
「CO・OPみそ煮込うどん」のあのコシともちもちした食感、滑らかな口当たり、定評ありのスープ。人気商品もうなずけますね!
1985年にめいきん生協と、ぎょうざや春巻きの皮の製造販売でお付き合いが始まった瑞逢社。皮以外に麺類も製造していたため、めいきん生協は、みそ煮込うどんの製造を依頼します。当時東海エリアの各生協(現コープぎふ、現コープみえ)は、それぞれのメーカーにうどんの製造を依頼しており、コープあいちもしかり。めいきん生協は瑞逢社、みかわ市民生協は他メーカーのみそ煮込うどんを取り扱っていました。
前述のように、うどんは地域で麺の形状も硬さもさまざまで、みそ煮込うどんも東海3生協でそれぞれでした。2019年に日本生協連(日本生活協同組合連合会)のコープ商品になることから、麺の形状やスープの味を統一することになり、検討会が始まります。愛知県の麺は少し平たい形状ですが、三重県や岐阜県では四角の形状だそうです。コープ商品となり、東海エリア以外の地域への供給も始まるため、豆みそ(赤みそ)に馴染みのないエリアへも供給されます。当初、スープの煮込みそのリニューアル案も出ましたが、佐藤さんをはじめ、みんなが反対したそうです。煮込みそにこだわっていた瑞逢社は「みその味は変えたくない」という気持ちが強く、また現行品が組合員の支持を得ていたため、麺のみのリニューアルとなりました。
共同化リニューアルにあたり、3生協の組合員モニターから概ねよい評価はいただきましたが、「麺が太い」「こしが強すぎる」といった意見が出たため、太さや厚みを微修正することになりました。形状はミリ単位で調整し、試行錯誤を重ね「専門店のうどんより柔らかく、ゆでうどんと比べて硬め」という独自のこしの麺になりました。
その独自のこしは、素材と製造に秘密があります。原料に、米のでん粉を加えています。小麦粉に含まれるグルテンに、粘りのあるでん粉が加わり、もちもちとした食感と、なめらかな口当たりが作られます。また、工場での製麺過程では、一度に麺に圧をかけると中のグルテンが壊れてしまうため、3段階の圧延ローラー+仕上げローラーにかけ、ゆっくりとグルテンを壊さないように圧延します。そうすることで、こしと強さを出しています。
ぎょうざの皮や春捲皮のレシピもたくさん掲載されています♪