株式会社サラダコスモ・岐阜県中津川市
1970年半ば、もやしはホルモン剤や漂白剤を使用したものがほとんどでした。「食べる人を健康に、幸せにできるもやしをつくろう」とサラダコスモが全国に先駆けて無漂白のもやし栽培を始めました。ところが無漂白・無添加のもやしは傷みやすく、すぐに黄ばんでしまうためお店には置いてもらえません。「本当にいい物を作り続けていく」という信念を持って、地元の商店やレストランに直販していました。そんなとき、偶然そのもやしを目にしためいきん生協※の職員が、サラダコスモを訪ねました。組合員も、漂白剤など添加物の入っていないもやしを待っていたのです。生協での取り扱いが始まり、これをきっかけに無漂白のもやしは全国に広まっていきました。
※ 1969年めいきん生協設立、1974年みかわ市民生協設立。2010年両生協が合併して、コープあいちが誕生。
もやしは低カロリーでヘルシー、価格も安く家計の強い味方です。一方で、傷みやすく日持ちしないというイメージがあります。組合員からよく聞くのは「コープの紙袋入りの『緑豆もやし』は日持ちする」という声。その秘密は紙袋にあります。この紙袋は30年以上前にめいきん生協との共同開発で生まれました。紙にポリエチレンを張り合わせた特殊な素材で通気性がよく、袋内をもやしの保存に適した環境に保ちます。紙袋は透明な袋と違い、中を見て確かめることができませんが、「新鮮で安心なもやしが届く」という信頼があるからこそできた、生協ならではの商品です。今では日本各地の生協の組合員に喜ばれる商品となっています。
◂有機緑豆の
有機栽培の畑で育てられたもの限定。その中でも良質な原料を厳選
◂組合員との交流
ちこり村(中津川市)の見学と学習会の様子(2019年)
◂カット野菜
「日本の野菜不足を解消したい」という思いのもと、安全・安心な野菜で、おいしく便利な商品を開発
社員にとって、食べてくれる人との距離が近いのは、とてもよい環境だと思っています。工場見学に来られた組合員のみなさんから「いつも買っているよ」と言っていただけます。みなさんは、現場をちゃんと見て、商品について学習もされている。そうして納得して食べてもらえているのだと実感します。その言葉が社員のモチベーションとなり、やる気になります。もちろん厳しいご意見もいただきますが、ダイレクトに声が聞ける、伝わるのは生協ならではです。手紙をいただくこともあり、工場に貼り出してみんなで読んでいるんですよ。
時にもやしは、とても安価に販売されることがありますが、生協は適正な価格で販売されるので「評価されている」とうれしく思います。社員一同、これからも気を引き締めてよいものを作っていきます。
■ お子さんには、鷹の爪の代わりにすりごまで。
■ 旬の野菜をたっぷり入れて。
調理時間も短いので、朝食にもおすすめです。
■ ゆかりの梅風味が食欲を誘います。
おつまみや付け合わせ、もう一品欲しいときに。
栄養素が生まれている「発芽」したばかりの豆類の新芽がもやしです。植物が成長するためのパワーが詰まっています。「栄養がなさそう」という声も耳にしますが、ビタミンC、カリウム、アスパラギン酸、食物繊維や鉄分、葉酸も含まれています。
※ 日本食品標準成分表2015年版(七訂)より
緑豆もやしは、衛生検査に合格した地下水で洗浄してからパック詰めしています。袋から出してそのまま洗わずに炒めたり、ゆでたり、加熱調理できます。
※ 鮮度が落ちている場合は、洗ってから調理してください。
組合員、生産者・メーカー、生協と、工場見学や調理実習で多くの交流をしてきました。
ぎょうざの街浜松市の浜松ぎょうざの付け合わせはゆでたもやし。シャキシャキ感を残すゆで時間は30秒!ぜひ一度試してみて♪
緑豆もやしの他にも、子大豆もやしやブロッコリーの新芽もあります。
サラダコスモ(当時は中田商店)とコープあいち(当時はめいきん生協)が出会い、“無漂白のもやし”を取り扱うようになったころ、地元にしかもやしを卸していなかったサラダコスモには軽トラックしかなく、しかも名古屋まで商品を運んだことがなかったそうです。「これでは配達ができない…せっかく自分たちのつくるもやしを喜んでくれる人たちが見つかったのに…」。すると、安全なもやしを組合員に提供したいコープあいちは、毎朝4時に名古屋を出発し、5時に岐阜県中津川市でもやしを積んだら、すぐに名古屋市へ戻って組合員に届けたのです。半年ほど、このような配達が続いたそうです。
生協のもやしは紙袋に入っています。もやしは日持ちがしないことから、「少しでも長く持たせられないか」と、30数年前にサラダコスモと生協が共同で開発しました。野菜は新聞紙を濡らして包むと日持ちすることから、もやしにも適応できないかと研究が始まりました。あの紙袋は、内側に特殊な薄いポリエチレンが貼ってあり、ガスや空気を通しています。完成するまで、紙の素材と内側の素材はかなり検討されたそうです。
もちろん袋以外にも生協の緑豆もやしには特徴があります。生協の緑豆もやしは根が短くなっています。これは食感や歯触りがよくなるように根取り処理されているからで、根取り装置で根っこを60%以上カットしています。
今回お話をうかがった生協担当の森さんの好きな食べ物はラーメン。ラーメンを食べに行っても、ついトッピングのもやしが気になってしまうとか。ゆで過ぎのお店がもあるそうで、もやしを愛する森さんは、ゆで加減が気になります。おすすめするもやしのゆで時間は、すぐ食べる場合は45秒、余熱調理する場合は30秒がベスト。ちなみに森さんは”ゆでてすぐ食べたい派”だそうですよ。