下津醤油株式会社・三重県津市
1992年「おいしいしょうゆが欲しい」という組合員の願いと、「国産大豆で安心なしょうゆを造りたい」という下津醤油の思いが重なり開発を始めました。組合員の高い支持を受けて誕生したしょうゆは、やがて東海3生協の商品になりました。
しょうゆの主原料は大豆・小麦・塩です。「天然醸造 丸大豆しょうゆ」の大豆と小麦は、愛知・岐阜・三重に産地を限定。塩も海水から作った国産品です。一般的な濃口しょうゆに比べ、大豆6:小麦4と大豆が多く、東海地方で親しまれている「たまりしょうゆ」に近いうま味と高い香りが特長です。東海3生協の組合員が納得するおいしさは、地域に根差した味を求め伝え続けてきた、下津醤油の努力があるからです。
「天然醸造 丸大豆しょうゆ」は昔ながらの製造法の本醸造に加え、醸造を促す酵素や食品添加物を使用していません。自然の中でゆっくり醸造されていきます。手間暇がかかり大量生産には向きませんが、しょうゆ本来のふくよかな香りや味、色が生まれます。また、丸大豆とは「大豆を丸ごと使っている」ということ。まろやかな風味と深いコクが出てきます。
下津醤油は「会社の規模より、社会に信頼され存在感のあるキラリと輝く企業」を理念にしています。搾ったばかりのしょうゆに含まれる油分はボールペンのインクに、搾りかすは乳牛の餌になります。こだわりは品質やおいしさだけでなく、環境に配慮した取り組みにも表れ、信頼につながっています。
◂もろみの搾りかす
搾りかすはもろみ全体の15〜20%ほど出る。牧場に運ばれ、乳牛の餌になる。
◂親子クッキング(2020年 大府センター)
しょうゆのクイズやみたらし団子作りなど、親子で参加できる体験学習。
◂開発当時のボトル
1990年代当初は地区ごとにテーマを設定し、1年で30品ほどの商品を開発。
「伝えるべきことを伝えたい」という思いで、さまざまな地域の交流会に参加しています。
コロナ禍では、それ以前より検討していた、丸大豆しょうゆの卓上用密封ボトルの商品開発に力を入れていました。ボトルのサイズ、握り具合や力の入れ具合、内容量はもちろん、そもそもこの商品は必要性があるのかということまで何度も何度も話し合い、東海コープ※や組合員にモニターを繰り返し、改良を重ねました。販売に至るまでは本当に大変でしたが、この生みの苦しみは大変勉強になりました。
※ コープあいちを含め東海三県の3つの生協と協同して事業や活動をすすめ、より価値の高い生協をつくり上げていく組織
生協の組合員は人間味があっていいな、と思います。つながりを強く感じることもよくあります。交流会に参加された方が他の交流会にお友達を連れて来てくれたり、私がお店の試食に立っていると声を掛けてきてくれたり。量販店では、お客さんに避けられてしまいますから。
交流会や学習会は、一人ひとりと話して商品のよさを分かってもらう地道な活動で大変な一方、「次はどんな学習会をしよう」「何を話そう」とワクワクしています。みなさんと話すことは楽しく、それが大切なんだとつくづく思います。商品カタログなどの紙面でも商品をお伝えできるよう努力していますので、カタログをじっと見て「下津醤油」の名前を見つけてください。みなさんとお会いできる日を楽しみにしています。
■ 8時間ほど置くと、さらにおいしくなります。
■ 湯通しは魚の臭みを取るため。さばは鍋に入れたままでOKです。
■ 最後の砂糖は照りを決めるもの。辛いのが好みの方は少なめに。
■ お好みで、おろししょうがや溶き卵を入れたり、片栗粉でとろみをつけてもおいしいですよ。
■ 辛くしたい場合はコチュジャンを入れてください。入れる量は5〜10g単位で入れ、味見して調整してください。
しょうゆは開封後、日にちがたつと香りがとび、塩辛く感じます。酸化するため色もどんどん黒くなります。温度と光に気を付け、早めに使い切りましょう。
脱脂加工大豆は、丸大豆より価格が安いため原料として使用します。どちらも「大豆」なので、丸のままの大豆を「丸大豆」と呼び、区別しています。油分が多い丸大豆を使うと、もろみの熟成期間が長くなり、味にこくが出ます。
組合員、生産者・メーカー、生協と、産地工場見学や学習会で多くの交流をしてきました。
いろんな料理の下味や隠し味にすると、うま味がアップ!愛される訳ですね。
たまご焼き自慢になりました(たまご焼きの素)200ml ►
これがあれば簡単においしいたまご焼きができますよ。
下津醤油の伊東さんは、学習会や交流会を行うと「天然醸造」と「本醸造」の違いについてよく質問されます。今回特集したしょうゆも「天然醸造 丸大豆しょうゆ」と「天然醸造」がついています。数あるしょうゆには「本醸造」と書かれているものもあれば、どちらも記されていないものもあります。では、「天然醸造」とか「本醸造」とは何でしょう?
原材料に記載されている「アルコール」についても、なぜ添加されているのか質問されます。
しょうゆにアルコールが入っている理由は、白カビ(
しょうゆについて熱く語ってくださる伊東さん。入社したばかりのころは、こだわりがなく、ご家庭では安いしょうゆを使っていたそうです。ある日、自社のしょうゆで作った大好物の煮物を口にしたとき「こんなにも味が違うのか?!」と驚いたそうです。料理の味まで変えてしまうしょうゆ、「きちんと造られたもの」と決めている伊東さんです。
和食には欠かせない調味料「しょうゆ」。海外では「