株式会社寺部食品・愛知県豊川市
株式会社マルツネ・愛知県知立市
寺部食品とはみかわ市民生協の設立時、マルツネとはその7年後からのお付き合いです。当時、豆腐はその地域で調達することが基本でした。また安売りの目玉商品で、安価ゆえに品質に心配がありました。そこで「添加物を減らしたおいしい豆腐が欲しい」と地元の生産者に依頼しました。しかし特別に製造するには一定の注文数が必要です。組合員は話し合いや試作・試食の傍ら、他の組合員にすすめて注文をまとめ、全国の生協に先駆け豆腐の共同購入を実現しました。生産者も徹底的な品質管理や社運を賭ける設備投資で、組合員の願いに応えてくれました。生協の豆腐は、生産者と組合員が力を合わせた努力の結晶の一つです。
寺部食品は、昔からの製法を守る、職人の技が決め手の豆腐作りです。マルツネでは、豆腐発祥の中国では主流の、豆乳を生でしぼる「生しぼり製法」です。それぞれこだわりや特長があり、寺部食品もマルツネも木綿豆腐は国産大豆とにがりを使用し、消泡剤は不使用です。国産大豆は生産量も少なく材料の確保も大変で価格も高いのですが、「安全で、適正な価格で、昔ながらのおいしい豆腐が欲しい」と願う組合員の気持ちに寄り添うところは今も変わっていません。それはその先に組合員が使ってくれる、価値を分かってくれるという信頼があるからこそです。
生協の豆腐は組合員と生産者の強い絆の証なのです。
※ 1969年めいきん生協設立、1974年みかわ市民生協設立。2010年両生協が合併して、コープあいちが誕生。
◂真空脱気
泡立った豆乳を真空にすることで、泡を取る(マルツネ)
◂国産大豆
日本の大豆の自給率は約6%(2019年)
大変貴重な大豆
◂学習会の様子
組合員との交流会も行われ、こだわりを伝えている(2013年)
生協には人としてのつながりがあり、そこには作り上げた商品の物語があります。組合員からの宿題をクリアするたびに豆腐の品質も上がりました。生協が求める味は「本物の味」です。本物の味を追求しないと本当のおいしさは分かりません。ほんのり甘く後味がすっと消え、毎日食べても飽きない。子どものころから慣れ親しんだ味は地域の味です。組合員には素材の味を知ってほしいです。これからも地元の豆腐屋としてその味を提供していきます。
「安全・安心な原料と製法で、苦み・渋みが少なく、主食になる豆腐を作りたい」そんな一途な思いから、伝統技法の「生しぼり製法」にこだわり続け、磨きをかけると共に、組合員に喜んでいただける商品の開発・改善にも積極的に取り組んでまいります。
左写真より
■ 他にも、キムチ+マヨネーズ、キムチ+ごま油、なめ茸+アボカドなど、お好みの組み合わせも楽しめます。
■ ゴーヤは塩もみをすると苦みが抑えられます。
■夏はよく冷やして! お好みのジャムやフルーツソースなどで、デザート感覚で食べられます。 冬は温めると、よりなめらかな食感になります。
■ たまごは、あらかじめ器に割り、あげの袋に流し入れると簡単です。
シールをはがし3〜4回側面をたたき、隙間をつくると、簡単に取り出せます。
容器のまま、ラップで密閉して乾燥しないようにし、冷蔵庫で保存してください。もともと入っている水は衛生的なので、そのままでも構いません。水を入れ替える場合は冷水で。開封後は早めに食べましょう。
組合員、生産者・メーカー、生協と、工場見学や調理実習で多くの交流をしてきました。
健康志向の高い海外で人気の豆腐。しかし国内需要は下降傾向とのこと。今こそ大豆パワーで健康増進!
寺部食品では、機械の力に助けてもらう部分も多くある一方、本当に大事なところは職人の「手」を入れているそうです。大豆を蒸す時間は、季節によって湿度などが変わるため、人の手の感覚が頼りになるとのこと。職人のなせる業です。
みそやしょうゆは、その土地の味があり、そこで育った人たちはその味に慣れ親しんでいるというのはよく聞く話です。同様に、豆腐にも土地の味があるそうです。
昔は地域に多くあった町の小さな豆腐屋さんも、後継者不足で数少なくなってしまいました。寺部食品は「地域の味、食べなれた味を大切にしていきたい。地産地消を守っていくのが義務」と、日々がんばっていらっしゃいます。
マルツネと生協のお付き合いは、実は玉子豆腐からです。当時世間では、着色料や保存料などが入ったものが一般的で、そういった添加物を使わない玉子豆腐を組合員へ届けたいと、開発されました。
ところが、玉子豆腐が黒くなるという事件が…。これは、卵白に含まれるタンパク質の一部が熱によって分解され、硫化水素が発生し、卵黄の鉄分に反応して起こる現象と分かりましたが、黒い玉子豆腐では組合員に提供できません。試行錯誤していると、ある組合員から「酢を入れるといいよ」と教えられ、さっそく生協とお付き合いがあった内堀醸造に協力をしてもらい、改善をすすめました。
今では人気商品になり、多くの組合員に支持される「たまごとうふ」となっています。