【相談】不動産の「相続登記」が義務化された!?過去の相続分は? (司法書士よりアドバイス)
相談内容
5年ほど前に相続した不動産がありますが、「名義変更(相続登記)」がまだできていません。
最近、「相続登記」が義務化されたと聞きましたが、このまま放置すると問題がありますか?
アドバイス
●「相続登記」の義務化について 
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これまでは任意だった「相続登記」ですが、2024年4月1日から義務化され、原則として、不動産の相続を知ってから3年以内に登記する必要があります。
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相談者のように、義務化される前に相続した不動産についても適用され、2027年3月31日までに登記しなければなりません。
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正当な理由なく登記の申請をしていない場合、法務局から登記を「催告※1」されることがあり、応じない場合は10万円以下の「過料※2」に処せられます。
※1 相当の期間内に相続登記の申請をすべき旨の通知のことです。
※2 行政上の義務違反に対するペナルティーとしての金銭的負担のことです。
●義務化となった背景
これまでの「相続登記」は、任意だったということもあり、「戸籍謄本収集や登録免許税納付の負担」や「相続人全員の協議が必要という遺産分割協議の煩雑さ」などから放置されがちでした。その結果、登記簿を見ても所有者が分からない「所有者不明土地」が全国で増加し、周辺の環境悪化や民間取引・公共事業の阻害が生ずるなど、社会問題となっています。
2024年の国土交通省調査によると、全国の土地のうち、所有者不明土地の割合は 23%(九州の面積よりも広い)に及び、その解消のため不動産登記法等が改正され、これまで任意だった「相続登記」が義務化されました。
●「相続登記」をしないデメリット
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不動産が故人名義のままでは、売却や抵当権の設定などの手続きができません。
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長期間放置すると、代替わりにより相続人が増えて、会ったこともない遠縁の親族との協議が必要となるなど、手続きが一層困難になりかねません。
「相続登記」を放置することは、将来的に大きな負担につながります。この機会に「相続登記」をすることをお勧めします。
(司法書士 名倉勇一郎事務所より)
補足
●遺産分割協議がまとまらない場合
相続で揉めて登記できない場合は、自分一人で手続きができる 「相続人申告登記」 をしておけば、「相続登記」の義務を一旦果たしたことになり、過料を免れることができます。
ただし、不動産についての権利移転を公示するものではないため、不動産を売却したり抵当権の設定をしたりするような場合には、正式な「相続登記」を行う必要があります。
また、「相続人申告登記」後に、遺産分割協議がまとまり実際に相続した場合には、遺産分割が成立した日から3年以内に「相続登記」を行う必要があります。
詳しくは、生協の「組合員向け無料法律相談」などで、専門家とご相談ください。
(司法書士への相談・依頼もできます)
ご参考:政府広報オンライン「不動産の相続登記義務化!過去の相続分は?」
➡ 不動産の相続登記義務化!過去の相続分は?所有不動産を一覧的にリスト化する新制度も開始! | 政府広報オンライン